アレルギーでも食べられる卵を高校生が開発!?
なんだかすごいタイトルのニュースを発見しました。
卵アレルギーの人でも食べられる卵を高校生が開発、
阪神百貨店も太鼓判だって・・・。
だいじょうぶですか?
そんな見出しつけちゃってほんとに大丈夫ですか?
販売者としての責任は自覚しているんでしょうね?
アレルギーでも大丈夫の卵として触れこんで、
卵アレルギーの人が食べて
アナフィラキシー反応を起こしたりしたときに
阪神百貨店さんは責任取れますか???
記事はこちらです。
内容を評価し、正確を期すために全文を載せます。
阪神百貨店も太鼓判 高校生が開発「アレルギーでもOK」の卵1月12日20時29分配信 産経新聞
阪神百貨店も太鼓判 高校生が開発「アレルギーでもOK」の卵
兵庫県立播磨農業高校(加西市)の生徒らが開発した鶏卵が「卵アレルギーの人でも食べられる」と人気を集めている。その名も「ハリマ夢たまご」。エサを工夫し、アレルギー症状を緩和させる成分を多く含ませた。口コミで評判が広がり、昨年末から阪神百貨店(大阪市北区)でも発売された。
開発したのは、同校畜産科3年の卵生産研究班の生徒ら。「卵アレルギーの人でも食べられる卵を」と研究に着手。納豆やおからなど「健康によい」とされるさまざまな食材をエサに混ぜ、ニワトリに卵を産ませる実験をした。その結果、シソや魚粉を混ぜたエサを食べたニワトリに、アレルギー抑制効果があるとされる不飽和脂肪酸「α−リノレン酸」の含有量が通常の約5倍の卵を産ませることに成功した。
この卵に、生活習慣病予防の効果が注目されるドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)も豊富に含まれていることも判明。ニワトリがストレスを感じないよう平飼いを導入。血液検査も行うなど“健康診断”体制を強化し、ニワトリの病気の感染を防止するなど「食の安全」にも細心の注意を払い、商品化に成功した。
このたまごを近所の住民などに試験販売したところ、人気が徐々に広がり、メディアでも取り上げられるようになった。評判を聞きつけた阪神百貨店が出荷を依頼。先月上旬から週120個ペースで出荷を始めたところ、すぐに売り切れるなど大人気となった。
卵アレルギーの孫がいる夫婦から「卵を食べることができた」とお礼の手紙を受け取るなど感謝の声が続々と寄せられたという。
生徒らの指導にあたる赤沼幸一教諭(37)「現時点では生産量が限られているが、養鶏業界が冷え切っているだけに、生徒や業界などに夢を与えられればうれしい。効果を裏付けられれば、卵アレルギーで困っている人たちに光を与える製品としてアピールできる」と話した。
卵の質の改善としては非常に良い話です。
鶏の食べ物から考えていろいろ工夫することから始めて、
α−リノレン酸の含有量が上がるなど、それはとてもいいことです。
きっとおいしくて栄養価も高い、環境ホルモンも少ない、
安心して食べられる卵の代表となるでしょう。
しかしですね、
卵に入っている不純物や栄養の偏り、
それがアジュバント効果を生む場合もあるのですが、
それはアレルギーの本態ではないのです。
卵アレルギーの子供たちが
卵の中の何に対してアレルギーを起こすかといえば
卵そのもののたんぱく質に対して免疫系が働いてしまうのです。
これをアレルゲンと呼ぶのですが、
たとえば卵白アルブミンに反応してアレルギーを起こすのです。
卵アレルギーになってしまっている子供たちの場合、
含まれている不純物はもはや関係ない。
アレルギーを抑える物質がたくさん入っているから大丈夫?
それよりもアレルゲンを摂取しないことが大事です。
ここを勘違いしないでいただきたい。
α−リノレン酸がアレルギーを抑える効果があるからと言って、
それが通常の含有量の5倍に上がったから食べられるかって?
そんなわけないじゃないですか。
毒物を食べても解毒作用のある成分が多めに入ってるから安全である、
そんな理屈と同じですよ。危険です。
輸血の時などに抗アレルギー作用の薬剤を使うことはあります。
それで一種のアレルギー反応を抑え込むことはできます。
それは血液を入れる必要があるからで、別の話です。
アレルギーの人には、特に子供には食べさせないのが基本です。
記事全体がハッピーな調子になっています。
卵アレルギーの人全員に福音があるかのような書き方。
卵アレルギーの孫がいる夫婦から
「卵を食べることができた」とお礼の手紙
はい、それはよかったですね、
お孫さんも祖父母も大喜びでしょう。
しかしその卵アレルギー、検査した結果確認されたものですか?
アレルギーの程度はどのぐらいですか?
たまたまこの子の場合は運よく
アレルギーが出ない程度に効果的だったのかもしれませんが、
他の子供で安全だかどうかわからないでしょう?
ほんとに、卵としては良いものだろうと思います。
できれば自分の子供にもこんな卵だけを食べさせたい。
本当にそう思いますよ。
(正確にはこれだけに固執するのではなく、
様々な地域でこのように丁寧に育てられた鶏の卵を
バランスよく摂取すると言うのが理想ですが。)
ですが、子供が既に卵アレルギーになっている場合は別です。
どんな卵であれ、アレルゲンは必ずたっぷり入っています。
アレルゲンをアレルギーの子供に摂取させることがどれだけ怖いか。
卵アレルギーの人が食べてもOKの卵なんて
少なくとも私の理解している免疫学の概念上ではありえません。
こういう見出しで新聞発表することは
阪神百貨店にとっても高校生にとっても大変危険なことですよ。
そして卵大好きなのに卵アレルギーの子供たちに
いらぬ期待を抱かせてしまいます。
こんな見出しつけちゃだめです。
テーマ : 医療・健康 - ジャンル : ニュース
記事のその後ですが
まだ二週間も経っていないのに。
なんででしょうね?
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