韓国でとんでもない法案が提出され、成立しそうな勢いらしい。
チェ・ジンシル法案の提出というものだが、与党のハンナラ党が進めている。
亡くなった女優のチェ・ジンシルさんの自殺のきっかけがネット上での悪質な書き込みだということから、そのような悪意ある書き込みの流通を防ぐ法案が必要だというもの。
しかしこれはちょっと待ってくれといいたくなる・・・
最初の問題の書き込みをしたのは証券会社の25歳のOLで、naverという掲示板への書き込みだったようだが、彼女は現在、警察に身柄を拘束され、事情聴取されているという。
さらに、彼女が書き込んだ「アン・ジョンファが自殺した原因の借金30億ウォンのうちの25億ウォン(2億円ちょっと)はチェ・ジンシルからの借金で、彼が死んだ直後にチェ・ジンシルが駆け付けたのは借金の取り立てが目的であった」という書き込みが根も葉もないただのねつ造であったらしいことも明らかになりつつあるらしい。
うつ病の人は簡単なきっかけで危険な行為に走ってしまう、そのきっかけになったのはまちがいないし、この25歳の女性のした行為は社会的に見ても許されるものではない。
しかし、
しかしである、ハンナラ党が提出しようとしている法案は、ネットの検閲と規制を公然と法制化するというもので(日本でもアメリカでも公安などにより非公然とサイバー監視が行われているのはご存じのとおりだが)、匿名の意見発表が非常にしづらくなってしまうものである。
ネットの本人確認制度、11月から対象を大幅拡大
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081003-00000016-yonh-kr
10月3日14時33分配信 YONHAP NEWS
【ソウル3日聯合】早ければ来月から、ある程度の規模のウェブサイトでコメントを書き込む際に本人確認が必要になる。放送通信委員会は3日、制限的本人確認制度の導入を骨子とした「情報通信網利用促進及び情報保護などに関する法律」の施行令改正案が先ごろ立法予告を終えたと明らかにした。閣議の議決などを経て11月から施行予定だ。
ハンナラ党、「チェ・ジンシル法」の制定を検討
http://www.chosunonline.com/article/20081004000018
「チェ・ジンシル法」の導入が検討されている。
ハンナラ党が現在、「チェ・ジンシル法」の制定を積極的に検討していることから、史上初めて芸能人の名前にちなんだ法律が誕生するかに注目が集まっている。
ハンナラ党は3日、「チェ・ジンシルさんの自殺によって、インターネット上の悪質な書き込みの弊害が再び明らかになった。サイバー侮辱罪およびインターネット実名制の導入を積極的に進める方針だ」と説明した。
今回の定期国会で情報通信網の利用法を改正する「チェ・ジンシル法」を導入する、というのがハンナラ党の方針だ。洪準杓(ホン・ジュンピョ)院内代表は「サイバー侮辱罪およびインターネット実名制が導入されない限り、このような被害は今後も続くだろう。今回の定期国会でチェ・ジンシル法を通過させるべき。そうしなければまた新たな被害者を生むことになる)」と強調した。
インターネット実名制にするって言うのがこの法案の骨子ともいえる。本気か???
日本の秋葉原殺傷事件の後の「無差別テロや殺人、犯罪行為を思わせる書き込みの検閲と記述者同定と逮捕」システムは現状の匿名のままでもけっこうサクサク動いている。
市民の発した検閲システムも動いているが、何よりもその作業を行っているのは警察と公安であるはず。
(ここでもこういう記述をたくさんするとそういうところからのアクセスが増えます^^;)
犯罪被害を防ぐためとはいえ、日本のネット利用者自身も自らの首を絞め、警察や公安による検閲と個人の特定を行われてしまっているはず。
2チャンネルで好き放題書きこんでいる人もおそらくとっくにどこの誰なのかは特定されていると思われる。匿名は表向きの世界にすでになっている。
韓国でもおそらくすでに検閲システムは水面下で動いていて、危ない人はすでに目をつけられている。
けれども、実名制でしかインターネットが利用できなくされてしまうと、自由に泳がされているすべての人が、泳げなくなってしまうということだ。
これは発言が委縮する、文化の興隆ということでいえばきわめてもったいないことだよね。
「お天道様に恥じるようなことはしちゃいかん!
匿名でしか発言できないことは書いちゃいかんのじゃ!」
っていう人もいるかもしれないけれども、それだと社会の表に出てくるのは建前だけになる。
お天道様に恥じないどころか、真実を暴きたい人の発言まで抑え込んでしまうよ。
中国を見ればお分かりの通り、ギョーザ毒物混入事件の天安食品の従業員、報道のマイクを向けられてもだまりこくってるばかりでしょ。
インターネットをすべて実名制にした場合、その人はその人の立場で、周囲の人や関係者に気を使ってしか、ものが言えなくなる。たとえば三笠フーズの事件に憤慨したとしても、その米を運悪く使ってしまった食品業者が会社の取引先の一つとかだったら、何も言わずに黙りこむしかない。
もちろん、権力者が悪いことをした場合、告発が一切できない世の中に逆戻りだ。
今のネットの世界は匿名のおかげでものすごくたくさんの人の本音が聞こえる風通しの良い世の中になっている。
中山前国土交通省の歯に衣着せぬ発言も、今後も一個人として(衆議院議員の立場は社会的には一個人とは言えないかもしれないが)発言できるかどうかは、今の社会やネット社会が維持できるかどうかにかかっていると思う。
今のウェブ文化はぜひ、韓国でも守っていただきたい。
・・・でないと日本にまで飛び火しかねない。
では、解決策はないのだろうか?
それは、解決策は簡単だと思う。
「発信元の個人を特定できる情報以外は信用しない」
これを組織も個人も全員が徹底すればいいだけのことだ。もちろん、犯罪に結びつく書き込みの個人特定を警察や公安が進めて未然に防いでくれる、それはありがたいことだ。
でも、発言の自由を甘受して、それによる嫌な思いを何とかして乗り越える社会にならないといけないと思う。
匿名での言論の自由はぜひ残してほしいと考えている。
テーマ : 政治・経済・社会問題なんでも - ジャンル : 政治・経済
タグ : チェ・ジンシル法案 韓国 ハンナラ党 インターネット実名制 言論の自由
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雰囲気の良いBlogですね、参考になります。
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