彼岸花が江ノ電の線路わきに咲いていました。

今年は天候不順のせいか、少し遅かったようです。
江ノ電沿いの民家の庭のそれはもっと早くに咲いていたので、
江ノ電の線路わきの環境が苛烈だったというだけのことなのかも知れません。
彼岸花はあまり良いイメージが持たれていませんよね。
子供の頃には素手で触ると死ぬから近くによっちゃダメなんて
近所のお姉ちゃんに言われて、怖くて遠巻きに見たものです。
そんな怖い花がなんでこんなにいっぱい植えてあるんだろうと思うぐらい、
熊本の田んぼのあぜ道にはびっしりと生えていました。
実はあぜ道にびっしり生えているのにも、
死ぬから触っちゃダメというのにもそれにはそれなりの理由があって、
そのように植えられ、言い伝えられているのだということは
ずっと後になって知りました。
彼岸花、曼殊紗華(まんじゅしゃげ、まんじゅしゃか)は
まっすぐの茎の先に真っ赤な花が咲き、放射状に広がりますね。

群生するそのさまは色鮮やかで美しいのですが、
別名は地獄花、死人花とまで呼ばれます。
一つの理由はその植物体全身に毒があるからです。
手で触れるぐらいではなんてことないのですが、
茎や球根、春先の葉っぱを食べると運が悪いと死ぬほどの毒です。
もう一つの理由は、これも毒のせいなのですが、
その毒を利用した先人の知恵がこの花によくないイメージをもたらしました。
毒があるから、田んぼの周りのあぜ道に植えておくと、
それを嫌ってモグラやネズミが寄り付かないということらしいのです。
それで稲を守るためにあぜみちにびっしりと曼殊紗華を植える。
同じ理由で、昔は土葬だったお墓の遺体を
動物にほじくり返されないようにお墓の周囲にもたくさん植える。
土葬の遺体が分解されると土壌の肥やしになりますから、
死者を埋めたばかりのお墓の上の曼殊紗華は美しく咲き誇ります。
それはまるで死者が花の形を取って
この世に何かを伝えに戻って来たかのようで、、、死人花。
リーズナブルなんだけど、かわいそうですね。
綺麗な花なのにそれを毒として便利に使っている
人間自らが不気味なイメージを重ね合わせてしまう。
ということで江ノ電沿いの彼岸花、
目で見るだけでも愛でてあげたいなと思いながら歩いています。

江ノ電の 風にかしこみ 彼岸花
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