妊娠中の受動喫煙とアトピー性皮膚炎の関係について
消費税とたばこ税に関する前の記事の続きです。
妊娠中にたばこを吸うことが生まれてくる子供の呼吸器疾患を引き起こしたり、出産そのものにも悪影響を及ぼすことはよく知られています。
ここでは、それ以外に、アレルギー性疾患の一つであるアトピー性皮膚炎に対して、母親である妊婦さんが喫煙すること、それだけではなくて間接喫煙させられることの影響について調べてあります。
アトピー性皮膚炎の発症と、母親の血液中、あるいは臍帯血中のコチニンの濃度を比較することで、これらの喫煙がアトピー発症に影響を及ぼすかどうかを検査したのです。
この実験が最初に始められたのは実は2004年のことです。2004年に生まれた261人の赤ちゃんについて臍帯血を採取して、その2年後にアトピー性皮膚炎を発症したかどうか、生活環境はどうだったかを検討しています。
アトピー性皮膚炎を発症した赤ちゃんたちと、発症しなかった赤ちゃんたちにグループ分けして、血中コチニン濃度なども含めて様々な環境要因について多変量解析によって比較しています。
150人の母子について、その後の追跡調査に成功しました。この中には38人のお子さんがアトピー性皮膚炎を発症したとして報告されています。
(およそ25%ですから、すこし多いかもしれません。アトピー経験者の平均は20%弱ぐらいです。一つには、健康な母子は病院に寄り付かないということもあるのでしょうね。)
150人中、2人がたばこを吸っていたそうです。さらに、飲食店で働いていた、家族に喫煙者がいるなどの間接喫煙にさらされていたのは38人でした。
妊娠中のお母さんの血中コチニン濃度と臍帯血のコチニン濃度の間には明確な比例関係があったそうです。これはつまり母親の喫煙(間接喫煙も含めて)により摂取されたニコチンはそのまま胎児側に流れ込んでいったことを示しています。
結果ですが、アトピー性皮膚炎の発症率は臍帯血のコチニンレベルが高くなれば高くなるほど高くなることがわかりました。
コチニンレベルが高い、上位25%の子供たちは非常に高い確率でアトピー性皮膚炎を発症していたそうです。
詳細な数値は本文に書いてありまして、有料の情報ですし、割愛させていただきます。
ですが、ここまでのデータだけでも、妊娠中にたばこの煙にさらされることは子供の健康に非常に害を与えることが明瞭ですね。
妊娠中にたばこをやめないお母さんの言い訳として有名なものにこんなものがあります。
「私もたばこを吸うと子供が大きく育たないことは知ってるわよ。
でも、奇形は起こさないって言うじゃない。小さく生んで大きく育てればいいのよ。
妊娠中に禁煙することであたしが精神的にいらいらする方がよっぽど子供に悪影響だわ。」
奥さんがこんなこと言ったらご主人、ぶんなぐってでもやめさせましょう!
逆に妊娠中の奥さん方、生まれた子供がアトピー性皮膚炎になったらその原因の一部は配偶者のたばこにあることを宣言して、家族には家での喫煙はやめてもらいましょう。
それでもやめないで、不幸にしてお子さんがアトピーになったら悲惨ですね。
あらかじめ、アトピーの治療費は全部ご主人のお小遣いから天引きするという契約を結んでおいてはいかがでしょうか?
子供の病気が防げるわけではありませんが、次の妊娠の時にはたばこをやめてくれるかもしれません。
たばこを買うお金も少なくなっているでしょうし(笑)。
ちなみに、コチニンと言うのはニコチンの代謝産物で、まさしくnicotineを並べ替えてcotinineにしたものです。
コチニンの血中濃度はたばこの煙にさらされた量や時間ときれいに比例することが分かっています。
メンソール入りのたばこを吸うと血中コチニン濃度はより長時間高く維持されることが分かっています。
また、遺伝子背景の違い、たとえば黒人では白人よりもコチニンの半減期が長いと言われています。
コチニンには記憶力や認識力をよくする効果があるという報告があります。したがっていくつかの精神疾患で治療に使うことが試みられています。
しかし同時に、アルツハイマー病を悪化させる作用についても報告されています。
(以上のコチニンに関する記述は英語のWikipediaから引用しました。)
テーマ : アレルギー・アトピー - ジャンル : 育児
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